財布迷宮 - その8:m+(エムピウ) ストラッチョ ブッテーロ

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財布迷宮に迷い込んで早1年。
辿り着いた先はm+(エムピウ) ストラッチョという小さな財布。
シンプルながらも本当に良く考えられた逸品で財布としての機能は十分。
上質な革を使い丁寧に仕立ててあるところなんかも使っていて楽しい。

思えば遠くまで来たもんだ。
エッティンガーから始まっていくつもの逸品たちを経て辿り着いた先は激安のミニマルな財布とは。
価格で言ったら10分の1くらい。
名刺入れの方が高いくらい。
物の良し悪しは決して値段だけで判断はできないのだ。

晴れてこれで終いと思いきや、いやはやストラッチョにはいくつかのバリエーションが存在する。
財布迷宮を進む内にすっかり革の魅力に取り憑かれてしまった。
他の革を使ったやつが気になって仕様が無い。
もうここまできたら行くところまで行こうではないか。

今回手に入れたのはストラッチョのブッテーロ版。

m+(エムピウ) ストラッチョ ブッテーロ

ブッテーロはイタリアのワルピエ社が作る上質かつ丈夫なレザー。
滑らかで光沢を携えた上品な表情が特徴。
それだけに留まらず、牛の肩部の堅い皮を使っているため非常に丈夫。
ブライドルやクロムエクセルに似た張りがありつつもしなやか系の男らしい革だ。
しかしブッテーロは蜜蝋などは使わずに植物由来のタンニン鞣しで作られる。
ブッテーロの堅牢さは希少部位である肩の皮の元々の性質が大きい。

m+(エムピウ) ストラッチョ ブッテーロ-2

この小ささが最高。
めっちゃ良いかほりがする。
プエブロの匂いは正直ちょっと苦手。
スムースな表面は本当に綺麗。
革製品特有のシボは微細で均整のとれた光沢を放つ。
この青も彩度と明度が絶妙な仕上がりでなんとも上品。

ブッテーロのエイジングはとてもゆっくりと進んで行く。
プエブロみたいな劇的な変化は起こらない。
けれど色と光沢は深みを増してゆく。
ゆっくりじっくり育てるのもまた趣があって良いものだ。

m+(エムピウ) ストラッチョ ブッテーロ-3

コバは相変わらず未処理。
まあ良いのだけれど。
そういう品なので。

m+(エムピウ) ストラッチョ ブッテーロ-4

プエブロに比べるとかなり堅め。
ブライドルレザーほどではないけれど。
でもこの張りがありつつしなやかってのが好き。

m+(エムピウ) ストラッチョ ブッテーロ-5

ストラッチョは札入れ部分は皮の裏面がそのままになっているのだがブッテーロは摩擦感が強め。
入れる時にちょっと引っかかる感じがある。
使っていると繊維のザラザラが寝てきてちょっとマシになってくる。

その他の細かい使い勝手に関してはプエブロの時に書いているので割愛。
画像だけの手抜きインパス。

m+(エムピウ) ストラッチョ ブッテーロ-6

m+(エムピウ) ストラッチョ ブッテーロ-7

m+(エムピウ) ストラッチョ ブッテーロ-8

m+(エムピウ) ストラッチョ ブッテーロ-8

全体的に堅めで伸びるのに時間がかかりそう。
初めの内はカード3枚でも結構キツい。

m+(エムピウ) ストラッチョ ブッテーロ-9

エイジングの進んだプエブロ版と。
むぅ、どちらも良い色ではないか。

絶賛のストラッチョだが、もちろんこいつにも駄目なところはある。
何点かあるが一番伝えたいストラッチョ最大のデメリットはこれ。

m+(エムピウ) ストラッチョのデメリット

普通に使っているだけでカードに傷が付く。
ホックがポケットの部分に直接取り付けてあるのでそれがカードに当たるのだ。
カードを入れるときもこの部分にたまに引っかかって奥まで入らない時がある。
対策としては「気にしない」のが一番。
が、尻ポケに入れたりして長いこと使っているとどんどん擦り減っていくので解決策を講ずる。

m+(エムピウ) ストラッチョのデメリット-2

m+(エムピウ) ストラッチョのデメリット-3

こんな風にクリアファイルをポケットの形に切って入れてやる。
ポイントはぴったりサイズにカットすることと下側の角を丸くすること。
そうすると飛び出て来ない。

あとは大量の札の持ち運びには適さないってことかな。
当たり前だけれど。
せいぜい15枚くらいまでかな。
ちなみに30枚くらい入れると、

m+(エムピウ) ストラッチョのデメリット-4

こんな感じなる。
ここまでくると最早勝手に開きだす。
高額の現金決済が必要な時は他の財布を使いましょう。




やはりストラッチョは俺にとって理想の財布。
ブッテーロ版は革質も好みで更に完璧な逸品だった。
こいつを超える財布は最早見つからないでのではなかろうか。
それとも迷宮には、まだ見ぬ想像もつかない銘品が隠されているのだろうか。


果たして俺はまだ、迷宮の中を彷徨い歩き続けているのだらうか    

 →エムピウ ストラッチョ

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